2011年4月22日(八段語録1291)

復興への道(8)

 東京の杉原師範から良きニュースが入ってきました。小学校の校長先生の最後の決断で学校での空手教室を許可されたのです。杉原師範は、小学校でPTA副会長をしているのです。この学校は1000名の生徒が通っているのです。彼が今まで学校に対して活動してきた実績と、今回の道場開催が合致してきた形になってきているのです。
 道場の責任者によって、千差万別の開拓があると感じるのです。杉原師範の場合、地道に新規をしていく事を始めにするのではなく、自分の立場を活用して、大きく網を張るという戦略に出たことになるのです。この点は大いに見習わなければならないと思うのです。
 もちろん、私の描いてきた原則と同じなのです。自分の一番信頼すべき人を一番弟子にして、そこから何人かの弟子を教育し、大きなうねりを築いて行くという事なのです。杉原師範の場合は、一番弟子は奥さんとう事を聞いていますし、信頼できる弟子は、かつて一緒に本部道場で修行したメンバーなのです。その意味では盤石という事になります。その内容をベースに、大きな仕掛けに出たのです。
 ところで、常々思う事なのですが、私が道場を運営して、あらゆる政策の基本的決定を行うのですが、国内進出、設備投資、道場内部のバランス、財務構造など、時に応じて運営してきたのです。もちろん失敗も多くありますが、それでも決定して推進してきました。
 ところが、私は、これらの道場運営に比べるならば、不釣り合いな程、かなりの時間を費やしてきた事があるのです。それは、今までの行ってきた全ての事を任せる事の出来る人物の選定なのです。宮城県本部の次の世代を担う師範の人選であることは言うまでも無いのです。
 もし、次を担う師範の人事を間違ったならば、たくさんのこれからの構想が絵に書いた餅になるのです。現場の決定を具体化するのは師範のポストなのです。時間がかかることなど何でも無いのです。私が費やした時間は、10年以上という事になるのです。もしこの人事に失敗したならば、再び10年どころか三倍以上の歳月を要するかもしれないのです。
 当然、私の人生を考えれば、そんな時間はないのです。本当に重要な決定になるのです。広島に関しても、会長と練りに練って最終的に一人に絞ったのです。それが、一年が過ぎてみて、発展は目を引くのです。今月も40名の審査会を開催するのです。道場生は100人を超えるのです。
 これらの選定に関して、何でもこなせる優秀な人材を手に入れればよいという人もいるのです。しかし、そうではないのです。共に心を合せてくれる人材が必要なのです。その意味では、杉原師範も、無駄に多くの時間を浪費する事のない師範の一人であると思うのです。