2011年3月30日(八段語録1268)

東北・関東大震災

 この大災害で我が家でも変化が起きました。母親が、これから森家の家督としての自覚を持つようにという具体的な言葉をかけてくれたのです。私達夫婦ともども、両親を支えるという観点で今まで歩んできました。しかし、母親の宣言は、森家の将来を託す事であるし、全面的に先頭に立って欲しいということでした。自覚はしていましたが、実質を伴って宣言されたのは初めてなのです。
 その意味は、本家として、弟家庭の面倒を見なさいと言う事なのです。私が心する事は、兄弟で絶対に争い事はしないという事なのです。全面的に弟達に協力するのです。それが、私の役割であり、責任なのです。
 私は、弟達が大好きであり、その家族も本当によく思っているのです。何の為に仙台に戻ってきたのかというならば、両親の世話をすることであり、弟家族の面倒を見る事を願いとして帰ってきたのです。それが核心の動機なのです。この気持ちさえ失わなければ、親族の仲は良くなると思っているのです。
 もちろん、今まで弟達と色々ありました。マイナス的な事は、私が志を持って、何も相談することなく、家を空けて夢に向かって旅立った事なのです。しかし、それ以外は、親の願いに答えて弟の面倒を見たことになるのです。二男が精神的に参っていた時は、東京で一緒に暮らしてみました。立ち直りのきっかけになったのかどうかは分かりませんが、その後、医者の熊谷先生と医療の仕事に着くようになって、娘も素直に成長しているのです。三男の時は、両親と必死でした。精神的な課題に直面していたのです。その後両親が相手を見つけて結婚し、今は幸せな家庭を築いているのです。
 かつて、数学的観点から数理学者が数式的に証明した内容がある事を思い出したのです。その内容は、アマゾンに生息している蝶が、一回羽ばたいた事が、数週間後に、シカゴの気象状況に影響を与えるという内容でした。取るに足らない蝶が、シカゴの気象状況に影響を与えるのです。それを、観念ではなく、数式で証明したというのですから驚きます。これをバタフライ効果と言うそうです。
 そのような事を考えてみても、私が、親族を守るという発想と心持は、親族に愛情を注ぐという明るい光になる効果になるのではないかと思うのです。両親からしても掛け替えのない子供達です。一人でも大切なはずです。その一人一人の家族を家長として守るのです。その自覚を母親からさせられた事になるのです。 
 この大震災は、日本列島に衝撃を与えたばかりではなく、私自身にも大いなる変化をもたらせた事になるのです。具体的に両親を含めて森家族と、弟家族、親戚の人達と意識と愛情の和が広かった事になります。その事だけではなく、道場生に対する思い、地域の人達に対する気持ち、全てが整理された思いなのです。まるでアマゾンの蝶がシカゴの気象に影響を与えるが如くなのです。