2011年1月22日(八段語録1201)

これからの極真会館の運営

 私は結局の所八年間大学で、体系としての経済学を学んできたことになるのです。特に学部時代には、近代経済学を専攻したのでした。大学のセミナーで、特にミクロ・マクロの経済学をケインズ学派中心の学問として学んでみて、ケインズ学派が掲げてきた財の動きに終始した内容は、やはり一側面であると結論つけてしまったのです。
 それ以上に、人間の行動そのものに関心を持つに至ったのでした。すなわち、経済を支配的な領域として受け入れようとはしないのです。経済学は確かに重要な事なのですが、そこを中心に考えられないのです。「生活があって道徳がある」とよく人は言います。
経済はつまるところ、生活を豊かにする事なのだという事なのです。その経済がベースになって人は成長するというのです。それだったならば、経済の発展した国や地域がより尊くレベルが高いかというならば疑問を持たざるを得ないのです。
 もちろん、現在の経済は、自由市場が原点にあるので、特に問題はないのですが、それでも、経済は唯一の領域ではなく一つの側面にすぎないのです。経済は絶対的な決定要因ではなく、制約要因にすぎないと思うのです。もう少し突っ込んで見ると、経済的欲求や満足は、重要ではあっても絶対ではないと思うのです。
 そして何よりも、経済活動、経済機関、経済合理性は、それ自体が目的ではなく、人間生活を幸福にする精神世界の確立のための、非経済と思われる目的の為の手段にすぎないのだと結論つけているのです。そのような主張に即して運営している私でありますから、精神の向上や日々の満足や充実、どれだかの感動量をもたらすかを、自分の本質に置いているのです。それ故に、友情や愛情といった内容での人生の生き方ということになるのです。
 その事もあって、道場運営の決定に関しては、あらゆる時間を割いて、道場生やスタッフへの影響を検討し尽くす事を確認するのです。それでも、道場の基盤の拡大と教育に必要であるとするならば、大ナタを振るって改革に乗り出すということになるのです。つまり、人間の行動学に力点を置いた、運営に心がけようとするのです。
 そのような意味合いに置いて、道場の課題は、どれだけ道場生を大切にできるのか、しっかりとした指導ができるのか、そしてスタッフをお互いどれだけ大切にする事ができるのかに係っているのです。