2010年12月27日(八段語録1175)

2010年の総決算(13)

 経済と道場運営の調和がなかなか難しく推移した一年でもあります。産業界では経済の発展には目覚ましいものがあります。だから道場は、余り経済の安定とはいかないようです。それだからと言って、経済を道場の運営の上位に位置づける事ができるかというと、否としか言えないのです。
 ところで、人は、生物的存在として呼吸する為に空気を必要としています。道場も運営する為に、運営費の確保という事も必要になってきます。道場が社会的存在として機能する為の社会から必要とされるように努力する事も必要になっているのです。
 しかし、道場が、社会を必要とすることは、必ずしも社会を手にしているという事を意味していないのです。昔ポセイドンアドベンチャーという映画を観たのですが、難破した船の中でパニックに陥った人を大勢描いていました。パニックに陥ったような状態の人と道場は同一であってはいけないのです。あくまでも難破船から脱出させて行こうとする先導者ということにならないといけないのです。
 現にパニックに陥った人を私達は社会とは呼ばないのです。集団であっても社会では無いと定義するのです。道場は、パニックに陥っている集団があるとするならば、手助けして、あらゆる課題を克服させていくために、価値、規律、正当な指導力、社会的諸関係を備えた社会を回復する事ができるパワーがなければならないと考えています。
 社会的動物としての人間の生活は、社会なくしてあり得ないのです。ありうるはずが無いのです。最近の社会状況を眺めると、機能する社会が不完全で、社会生活が不十分になっているのです。そのような社会に対してしっかりとして提言ができるような人材を育成しようとするのが道場でなくてはならないと考えています。
 そして、最終的には、道場は、社会、政治よりも上位につけて、社会に貢献する人材を輩出する意気込みが必要であると考えているのです。夢の話です。しかし、実際にこれから、社会を担う人材育成に相当、力を投入すべきであるのです。