2010年12月19日(八段語録1167)

2010年の総決算(5)

 日曜日の朝、やはり考える事は、一年の反省なのです。昨年と比較するのですが、昨年は、病との闘いで、肉体との壮絶なバトルを繰り返してきたのでした。今年は、順調に、落ち着いた状態で推移しているのです。肉体の衰えと病気には勝てないと思いながらも、かなり激しいトレーニングを今年は課していました。
 毎日、二ラウンドを均等に保ちながら、上半身と下半身を交互に鍛えていくという方法で、続けることをメインに取り組みました。一人黙々と鍛錬するという事は、修行僧に似ているのです。誰も指導してくれるという事もないので、自分の強固な意志力のみが頼りなのです。それでも、真剣勝負を重ねてきたということになりました。
 極真会館宮城県本部の行くべき道をどのように切り開くかという事から、世界情勢に至るテーマで考えながら、トレーニングに入るのです。ただ身体を鍛えるという若き時期のトレーニングとは違って、あらゆることを頭の中を通り過ぎるのです。今も世界の至る所で紛争が絶え間なく、ハイチでの地震、飢餓、そして自然災害によって無慈悲に人命を失うニュースなどを耳にしながら、世界を憂うる心で取り組んでいたのでした。
 世界の国々、どの民族、どの地域でも、極度の利己主義がまかり通っているのです。尖閣列島における、海上保安庁と中国漁船との衝突事件、北朝鮮の砲撃事件、これらは、その最たるものとして映ってしまいました。まさに、国家のエゴが、徹底しているのを見るのです。それを正当化するどころか、外交の鍵までも閉めてしまうのです。意思疎通のない不通の国家関係へと展開してしまっていることは、悲しむべき事として映るのです。
 結局、何もしないで、諸般の問題を見つめなければならないのだろうかと思うと、悲しくなるので、少なからず抵抗する姿勢を心で持つのです。この極真空手を続けてきた事が一生の間、これらの世界の問題と無関係ではいられないと思うのです。すなわち、手塚グループの主唱する家族思想は、そのような世界に対して心を痛め、何らかの形で貢献しようと思うのです。この空手道の姿勢こそが、人類に平和と幸福の道を探し出せる僅かばかりの道のりではないだろうかと思うのです。