2010年12月8日(八段語録1156)

日本を出発して思う事のひとつ(3)

 日本を離れれば離れるほど、身近な人が思い浮かばれるのです。家族の事、そして親戚・縁者、さらには、道場生の事が脳裏に浮かんできます。人間って、愛情の対象を思い浮かべるのだろうと、自分の心に照らし合わせながら考えています。
また、身近な人達が、幸福の原点になっているのだろうと思うのです。
 今日は娘の順香の事を、おもむろに書き始めています。小さい時から機転がよく効いて、いつも、やんちゃに遊び回る可愛い姿が、心に浮かびます。私からすると、様子を垣間見ているだけで、心が和むのです。敢えて、こじつければ、妻の幼年時代のように思えるのでしょう。
 そして、今二十歳の成人した娘になりました。12月5日に誕生日を迎えたのです。私にとって、娘は、絶えず素晴らしい贈り物を送り続けてくれました。二十年の歳月は何にも代える事ができない豊かな親子の感動の日々でした。振り返ると、色々な事がありました。それも今になってはあっという間の出来事なのです。
 当然のように、保育園や、小学校、中学校には、率先して父兄参観には出席し、子供の様子を先生から良く聞くし、注文も付けるのです。口うるさい親として、担任の先生などには映ったのでしょうが、親バカの限りです。学校の成績は、絶えず上位で、クレバーな一面には親として心を良くしたものです。
 しかし、どの子にも当てはまるのですが、究極の不安定な時期があったのでした。彼女の場合その時期は、中学校卒業の頃から、宮城野高校時代なのです。ストレスが、過食症を引き起こしたり、異性間のしょうもない葛藤をしたり、学校への登校拒否をしてみたり、様々です。最後は、親と心中だなというエピソードもあったものです。
 そして、今は東北福祉大学二年生、福祉心理学科を専攻し、生活も充実している時期のようです。学校は、家からは近いのですが、大学の学生寮のようなところで、同世代の人達と交流を交わしているのです。その寮の距離、我が家から一キロの所だから、何とも面白というか、本人の意思での入居ですから、主体性におまかせです。寮のほうが、だらだら家にいるよりは、遥かに生活基準がしっかりするようです。時々家に帰ってきては母親の手伝いをしているのです。
 一時期、過食症の影響で65キロもあった体重が、いまでは53キロと正常な体重に戻っているから、過食症も克服し、自己管理力もそれなりに身につけてきているのだと感じています。1月の成人式には、振袖の着物を着せて眺めたい私なのですが、家の経済を気にしてか洋服でもかも構わないと話しているのです。それでも親ですから、着物姿を眺めたいのです。
 順香に対しては、私と千順さんも反省しているのですが、早く結婚させてあげたいと思って、相手を紹介したのでした。本人は、結婚相手どころか、自分のころで気持ちが一杯であったので、その気にもならず、無意味な患いをさせてしまったと、申し訳なく思うのです。親としては、娘に最高の相手に出会ってもらいたいという気持ちから、来年こそは良い人と巡り合う事ができるように、思いを込めていきたいと思っております。今度は本人の気持ちをしっかり捉えて、幸せな家庭を目指せるような結婚ができるように祈るばかりなのです。来年は、娘の成人式、そして婿探しと、私の父親としての活動が活発になるのではないかと期待を膨らませているのです。
 それでも、娘はそのような親の心は気にも留めず、毎日充実した生活を送っているようです。
 今月の誕生日には、私からプレゼントして貰いたいものがあるのです。ちょっと高額になるらしく、お金だけ準備してというお願いがありました。お金だけという事には抵抗がちょっとありましたが、やはり嬉しいものです。たまった、お小遣いを一挙に吐き出します。これも幸せな、思いのひと時です。