2010年11月16日(八段語録1131)

これからの極真会館の運営
混乱、摩擦、不手際があった時に考えるべき事

 宮城県本部の組織の構造は透明でなければならないのです。決定権の所在は明らかにしていかなければならないのです。更に、権限があるとしたら責任が伴っているのです。そして、誰しもが上司に位置している人が一人であり、当然もう一段階の上司に確認して正しい事を確かめるのも必要なのです。あえて言うならば、確かめる方式を三段階原則と名付けてもいいのでしょう。
 私はアダム・スミスを経済学の父として尊敬しているのです。それは、マネジメントの先駆者であり、正しい指摘をしているのです。その意味では、マニュファクチャーという組織構造を提示したのであり、分業制度の合理性を説いたのでした。しかし、その後の経済学者は、組織構造は一つであるとした事は間違いであったとしたのでした。当たり前に工場だけではなく、あらゆる業種があるからには当たり前と言えば当然の事なのです。
 マネジメントは、正しい構造を追及する代わりに、仕事に合った構造を探し、作り、確認する事を求めて行ったのでした。そしてトップダウンの階層的組織や、グループ制の組織、特殊な専門分野の長だけの組織、さらには、家族的な日本企業を代表する組織など様々な形態を追い求めて行ったのでした。
 ところで、私として、それらの組織構造として、いくつかの守るべき原則があると思うのです。第一に、組織は透明でなければならないとう事です。誰もが自分が動く組織の構造を知り、理解しなければならないのです。極真会館の場合、組織の流れや構造が、入門当時から理解できるようにしているのはそのためなのです。
 第二に、最終的な決定権を持つ人がいるということです。それはとりもなおさず、手塚グループでは手塚会長ということになります。第三に、権限には責任が伴うということなのです。会長の決定は、責任を持って決定しています。まさに今回の件は、モーゼが紅海を二つに分けるがごとく、二つに分離してしまいました。それこそが会長の仕事になるのです。
 第四に誰にとっても上司は一人なのです。もちろん、不安を感じたならば、もう一段階上の上司に相談する事も大切な事なのです。これらの原則は、家を建てていくことに似ているのではないかと思うのです。いかなる建築物でも制約事項をしっかり守ればどんな建物でも出来てしまうのです。