2010年10月27日(八段語録1111)

ロシア秋合宿紀行(5)

今日から合宿の始まりですが、朝6時からの練習なのです。暗闇の中での起床であり、移動になって早速、新しいトレーニングセンターでの稽古ということになりました。総勢40名の指導者がロシアの各地から集まって来ました。なかでも3000キロ離れた地方や、まるっきり人気のない、シベリアからの合宿参加となっているのです。
ロシアの各地域の極真空手に対する熱意が伝わってくるのです。それも集まってくる指導者は、ボリス師範の指導のもと,しっかりとして命令系統で動いているのです。
早速、アラン師範の指導が始まりました。アラン師範は、もうすでに、63歳ですから、年齢も高い方なのですが、若武者達の先頭に立ち、最後まで手を抜かないのです。
寒い体育館も何時の間にか、熱気と汗で、道着は汗にまみれ始めるのです。今回の合宿は、二時間三回の稽古として、出発しました。和やかな雰囲気のなかにも、厳しさも現れて来ます。この伝統は確か、私が、青年時代に味わった極真空手の伝統なのです。一時間がすぎる頃には、渾然一体の雰囲気に包まれ誰もが、歓喜の刺激にしたっているようでした。
これが、極真空手が目指す、青少年交流の原点であり、私たちが目指す教育なのであると今更ながら、実感をするのです。稽古が終わり、ホテルに帰える頃には、心地よい疲れとお互いの交流の充実度が満ちてくるのです。それも、不思議なことに、日本人の私たちが指導をしているのですから驚いてしまいます。私の締めている帯は八段であり、ロシアのメンバーはボリス師範の六段を最高位にして序列が作られているわけですから、日本発の武士道文化を継承してもらっているという気持ちがふつふつと湧き上がって良き気持ちにもなってくるのです。
合宿を通じて日本文化への誇りと、世界の人たちが学ぶのに、最高の教科書として示すことができる文化であると改めて、感じさせられるのでした。日本が発祥の地の武道は、間違いなく世界の人たちに受け入れられ、継承されていくのであると改めて、引き締められた思いがしたのでした。