本部長通信109 2008年3月3日
自分自身と洞察力
師範は洞察力を最初に身につけて欲しいと思うのです。実践空手は、どんな人でも組手をします。自分の技を決めるのは、洞察力の適用に他なりません。試合に負けたり、挫折したりさまざまなことがあります。あらゆる人との関係を整理して、細かく砕き、そして、過ぎ去るのを待つのです。
空手は人間性の成長のために修業するのです。人生において汚染された挫折や敗北の空気をどのようにクリアにするかなのです。空気清浄機を自分の態度のなかにつくらなければならないのです。それが洞察力です。
そうしたら、再び深い呼吸に戻り、健やかで気持ちのいい空気を吸うことができるのです。「怒った心」「不安な心」「挫折した心」は、すでに汚染された空気なのです。多くの人はただ、洞察力なしで、過ぎ去るのを待つのですが、修養した洞察力を備えた道場生は、空気清浄機を備える訓練をするのです。ゆえに、最後に正常な状態に至り、静寂を味わうことができるのです。
すなわち、洞察力は、混乱と散漫さと向き合い、可能な限り消化してしまう内容なのです。自分に住む扱いにくい怪物を把握して、エネルギー全力出力できる状態を保てる心身共の調整をしていきましょう。
師範稽古 移動稽古突き 40分