2010年9月7日(本部長通信1061)

これからの極真会館の運営
人の成長と組織

 極真会館は人を育てるところです。否応なしに成長させてしまうのです。白帯から出発して黒帯に至る道は、密教でいう
千日修行に匹敵する荒行をしてしまうのです。人を育てることについて師範は何を知っているかという事なのですが、四十
年近い年月この道で育ってきました。かなりの事を知っているのです。
 とくに、極真会館の創始者を始め、先輩達をあまりにもよく見てきました。行ってはいけないことのほうが、行うべき事
よりもしっかり指導できるのです。それほど、先輩達の過ちは目を覆う事があったのでした。
 師範の心掛けている事があるのです。第一に、その人の不得意な分野での役割は、極力避けているのです。礼儀、態度、
スキル、知識は学ぶ事が出来るのです。しかし、個性を変えることはできないのです。修行の歩みはするにしても、決して
人の個性までも踏みにじろうとする事はしないのです。
 第二に、近視眼的には人を育てようとは思わないのです。白帯から入門してきて、学ばなければならない空手の技術的な
技やスキルは確かに膨大なものがあるのです。しかし、空手を学んでもらって人を育てるという事になると、それ以上の事
なのです。キャリアと人生に関わることであり、その人そのものなのです。その人の今後の役割は、人生の目標に合せなけ
ればならないのです。
 第三に、エリート扱いはしないと心に決めています。わが子にしても、普通に組織内で、皆と同じように扱うのです。ま
してや鳴り物入りで入門してきても、関係が無いのです。重要な事は実力であって見込みではないのです。その意味では、
要求は厳しくもなるのです。
 これからの、人材育成は、その人の個性に合わせて、その人の最大の能力を引き出す指導をするのです。その上で、要求
も厳しくなるのは当然なのです。そして、時間を掛けて丁寧に指導するのです。向かい合って指導するのです。この一年ど
うであったか、何かうまくやれたか、聞く事がたくさんあるのです。