本部長通信98  2008年2月21日

心の四肢五体を完成させよう。


最近師範は、肉体に四肢五体があるように心にも四肢五体があると思うのです。五〇代に入ったので人生の悟りみたいなものなのだと思います。両親に一八歳まで限りない愛情を降り注がれて育ってきました。その後に自分が見つめた世界は最強の肉体と精神力でした。その後、四〇歳に近づくにつれて、肉体の強化の限界にぶち当たってしまいました。

 大学で学問の世界に十年以上投入し、知性の素晴らしさも体験してきました。ここにきて、肉体と知性が成長に限界がきていることを悟ると、不思議に、目指すは心の四肢五体を完成させようとすることと思い立っているわけです。心に体があるのかといわれると自分でも疑問視するのですが、しかし、伊達正宗の独眼流は心の目であると聞きます。そうであるならば、心の四肢五体があるのではと思うのです。

 そこで心の五体を完成させるための作戦をいま考えているのです。最初にこの歳で何を言うのかと思われがちですが、すべての考えを捨てて心をきれいにすることを心がけています。さらにバーチャルの世界のようですが、心の五体を視覚化していくのです。愛情に満ちた温かい人格の肉体を想像します。強力な光彩に包まれた自分の心の五体を見るのです。

 思いの世界で、頭、額、顔、胸、お腹と自分の心の形を描いていきます。不思議に明るい光が五体の隙間を貫通し、暗い影と不純さを拭っていきます。今私は、不完全な心の五体ですが必ずや成長して完成するのではないかと思うのです。これからの人生を心の五体の完成を目指して頑張ろうとするのが私の思いです。

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