本部長通信90  2008年2月13日

空手の基本(呼吸法 息吹)

 師範の考えは次に述べるとおりです。空手を習うものは、修練全体を通じて、呼吸が大切になってきます。空手を習わない人は、意識のあるなしに関わらず、体の呼吸器官は自動的に呼吸を調節しています。呼吸に意識と神経を使う必要はないのです。そうでなければ、別の事を考えるたびに、呼吸が混乱してしまうかもしれません。

なぜ空手で道場生が、呼吸が大切であるかというならば、普通の生活の呼吸とは違うのです。呼吸は、胸ではなくお腹からします。息を吸ったり吐いたりするたびに、おなかが膨らんだりへこんだりする訓練をするのです。稽古中、腹式呼吸に不便さを感じる場合、しばらくは胸で呼吸するのですが、すぐに腹式呼吸に戻らなければならないのです。

そこで、重要になってくるのは、「息吹」という訓練なのです。この訓練は、息をすべて吐き出して、瞬間に息が吸えてしまうのです。丹田に力を入れて、体のすべての空気を吐き出すのです。丹田がお腹の全体の中心であります。この丹田はアスリートが試合に勝つために、決定的な影響を与えるようになるのです。

空手を志す道場生は、丹田とその周辺の筋肉をどのように使わなければならないかを学ぶのです。最初から胸ではなく体の中心の丹田から呼吸する練習をするのです。意識を吐く息に力点を置きます。吸う息が吐く息より短いのです。これは正常なことなのですが、この訓練を「息吹」という訓練法で鍛練するのです。

私たち道場生は、呼吸が深くなるにしたがって、空手での精神力を磨いていくのです。精神的な深い感性が身につくのも、この「息吹」であり、空手をやる者にとって熟練しなければならないです。