本部長通信89  2008年2月12日

空手の基本(道場環境)

 空手を始める前に、知っておかなければならないことがあります。初めに道場とは何であるかであります。道場は心の平安と体の訓練を与えてくれる場所であり、日常の環境から離れた場所であること意識するところです。特に本部道場は、修練の伝統が充満している神聖な場所です。極真空手の伝統が息づいているところでもあります。道場生が稽古を始めるときにはすでに、体育館であろうとすでに、空手の道場としての整頓された環境になるのです。

 この道場は無感覚ではないのです。礼儀作法からうるさいのです。世間的なものをそのまま持ち込むところではないのです。ある道場では不良のたまり場のようなたばこを吸い、酒を飲むような状況になっていると聞きます。道場は、自分の周囲を整理して、より集中できるように、手助けするところなのです。

 そして、道場生は、道場に入ったら一礼するのです。この道場は自分たちの心の反映になります。道場は、神棚があり、自分たちが道場に入る前に受けてきた葛藤と不安感、ストレスそのような内容を一掃してしまうのです。道場は、心の平安と体の訓練に備える環境であり、現代社会のあまりにも障害のある環境から一歩隔離したところなのです。

 本部道場の神棚は、榴ヶ岡天満宮の神霊が宿っています。しかし、宗教的なものと、捉えるのではないのです。道場は日常的に悪い環境から離してあるという象徴のようなものです。道場は先輩たちが汗し涙した、あるいは血を流しながら、自分を極めんとした修行の場なのです。そのような雰囲気を備えた所が道場なのです。そして、稽古を終えたならば道場に向かって最後に、一礼して出ていくのです。極真空手の道場はいかなる偏見も超越して、謙虚な自分の姿を現すところなのです。