本部長通信88  2008年2月11日

心身統一(2)

 師範は、精神的訓練をするところが、道場であると思うのです。ただ、強くなると
いうよりは、精神的訓練を重視して初めて極真空手の価値が問われるのです。基本
は、「人を殺してはいけない」「姦淫してはいけない」等、伝統的な道徳観を踏襲し
ます。極真空手を実践する道場生は、殺人、窃盗、詐欺、姦淫、覚せい剤中毒など凶
悪な罠に陥らないように統制できる人を目指します。
 基本的道徳観を踏襲しないで、師範であるとか、全日本チャンピオンであるとか世
界チャンピオンであるとか言ってもどうしようもないのです。その人たちの発言を聞
いていると妄想を作り出し、自ら怠惰や欺瞞、性犯罪を正当化するのです。しかしな
がら、極真空手を追求する人は絶対に伝統的な道徳観の原則から外れることができな
いのです。
 極真空手は何を学ぶかです。人生という戦場で突然訪れる試練と敗北、さらに克服
すべき数多くの艱難を極真魂でいかなる恐れに対しても勝ち抜ける勇気と情熱を学ぶ
のです。言い換えれば、疑心、恐怖、臆病を克服し自信と勇気、大胆さであふれてい
く魂を育てるのです。
 極真空手は実践空手です。どのような状況でも完全に適応でき、変化できる態勢を
作ることにより、極真空手で予想できない環境をも常に勝利に導くことができる内容
を身につけるのです。これが極真空手を通じての究極的な心身統一の本質です。
 大会での試合を通して心と体の葛藤と、それが誘発され、息詰まるような緊張感と
不安感を直接体験するのです。しかし、大会だけの段階で終わるのではなく、道場で
は、その後の効果的な教育法が稽古という意義づけで残っているのです。