本部長通信87  2008年2月10日

心身統一(1)

 極真空手は、心身統一のための訓練であり、とても重要なことです。肉体の健康管
理のために、家庭での食事があり、日常生活と道場での稽古もあるのです。心の健康
のためにも、栄養補給と稽古は必要になってきます。健全な生活を営むためには、心
の筋肉を鍛えていかなければならないのです。このようなことが実践空手を通じて養
われていくのです。
 試合に出てみればよくわかります。いわゆる条件反射のように、ある攻撃に対して
自然に反射的に反応できるように、心身を訓練し、鍛練するのです。空手でどんな突
然の攻撃にも、ほぼ反射的に反応するようになるのです。体系的に、どんな攻撃に対
しても打ち勝つ習慣をつけてしまうのです。
 師範は、心に平和のない指導者になってほしくないのです。例えば、いつもほかの
人を批判し、いつも不平をいう人たちを見てしまいます。このような指導者は、周囲
にいる人たちに否定的な影響を与えます。この道場では、稽古しながら、自分の中の
葛藤、焦燥、渇望、恨み、散漫、分裂などに出会った心を鍛練します。利己的な自我
は、惰性の奴隷であります。
 利己的な自我は、外部からくる刺激や情報をそのまま受け入れるだけでなく、とて
も活動的で貪欲になります。この道場ではまず、これと闘って打ち勝たなければなり
ません。利己的自我を平定していかなければならないのです。利己的自我を静かにさ
せなければなりません。それが静かになり、これ以上自分だけのために生きる姿にな
らないようであれば、今からは、もうすこし利他的で得を積むための訓練に入るべき
です。