本部長通信81  2008年2月4日

過去・現在・未来

 私たちが心を整理しようとすると、過去や未来が自分の心の隙間から入ってきま
す。自分の過去のあることのために、自分や他人を非難し、執着したままでいたりし
ます。そのことを何度も反復して考え、怒りと怖れと憎しみがその中から泉のように
湧きでてくるのです。もう一方では、未来への恐れ、または失敗への心配にとらわれ
てしまいます。不安材料が未来を妨げます。
 師範は、いろいろな人と対話する中で、気持の場所が現在にない人を結構みるので
す。現在という瞬間こそが、実際的なものであり、それは無限に継続して美しい宝石
に変化して見せてくれるのです。過去は過ぎ去り、未来ままだ隠されているのです。
はっきり、時間というものは常に現在にあるのみです。
 対話すると過去を後悔したり、自らの内面への調節力不足をほかの人のせいにした
りします。これからどのようなことが起こるか、より多くの不幸が訪れるかもしれな
いと恐れて震えてしまう人も多いのです。これでは過去を克服することもできず、よ
りよい未来を創造することもできません。常に過去、又は未来に生きているので、現
在私たちの周囲にいる人と交わることができないのです。
 師範によくこんな話をする人がいます。「これとあれはできない」または「あれは
私には到底できない」と言って、「できないことゲーム」をするのです。これは、自
らに精神的な限界の負荷するにすぎないのです。不幸にも、このような考え方が私た
ちの未来を決定するのです。私たちができると思えばできるのであり、そうでなけれ
ばできないのです。