本部長通信47  2007年6月1日(金)

調和


今までの歴史を紐解くまでもなく、戦争と闘争が繰り返され、戦いを成して、勝利したものが、征服していくのであったのです。当然支配した国が植民地化してきたのです。いつからなのか、時代が変わったなと思うのです。近代の歴史は、不思議にちょっと違うのです。日本は第二次世界大戦に連合国に完敗しました。植民地になっても仕方がないのに、今の繁栄があるのです。不思議です。歴史の方向が変わったのです。皆さんご存知でしょうか!昭和20年の敗戦からサンフランシスコ条約が結ばれる昭和27年までの期間は、GHQに統治されていたのです。しかし、当時生きていた私の両親も植民地であったとは一言も言わないし、思ってもないようです。
今の現代社会は、領土拡大で戦争する国家はほとんどないのです。地域からの独立運動があっても領土を拡大する戦争ではないのです。アメリカのイラク派兵においても、占領してアメリカに所属させるためにではないのです。世界はある国を過去のように引きずりおろして、占領し、植民地化することは、許されない時代に到達しているのです。闘争と戦乱の世の中は、国家ごとではありますが、過ぎてしまっているのです。それでは、いったい、これからの世界をどう見ていったらいいのでしょうか!
世界の各国は、戦いの立場から調和の立場へと変身してきています。環境問題・温暖化問題・食糧問題等、あらゆる問題がグローバルに解決していかなければどうしようもない時代に突入したのです。一国だけのエゴは世界に通じないのです。今までは身勝手に適当に対処してきた行為が、あらゆる分野の国際会議で議論されよりよい結果を求められるようになってきているのです。競争社会であることは間違いありません。しかし、ここに、お互いを尊重する精神が確立され始めているのです。
世界は、地球村として、お互いが助け合う時代なのです。一見、都市生活のなかで、他人との関係が薄くなっていると騒がれています。「隣の人は何する人ぞや」と無関心を装うようになっていますが、世界は、地球村へと向かっているのです。お互いがお互いに関心を持ち助け合う世界が来ているのです。まさにどこで何があったのか村のように一瞬に駆け巡ります。
私は、武道精神を教えてよかったと今感じています。世界の方向性に武道は合致しているのです。お互い戦いはするものの、競争はするものの、礼に始まり礼に終わります。お互い尊重しあい、勝者も敗者も試合の終わった後には完全に一つになるのです。こんな素晴らしい、世界が武道にはあるのです。地球村は調和の世界になると予想しますので、武道が個人の姿勢として限りなく生かされるのではないかと思います。