本部長通信43  2007年5月28日(月)

勝利者


子供たちに主体性を主張することは、必要なことではあります。しかし、何を重んじて主体性を発揮させるかであります。私たち極真空手を学ぶものとしては、家族を大切にする心を学んでもらうのです。それゆえ、子供達は、家族に大切にされます。また、両親に、極真空手を学ばせてよかったと指導者が、感謝の念をもたれるのです。これに反して、主体性だけを協調して、礼節や、武道精神、上下左右の人間関係を教えず、まして家族を大事にする心を養わずに、軽んじて、極真空手だけ、生きがいにしたら家族はその子供を大事にするでしょうか。もしその子供の親が「こんなに空手をやるのだから好きなようにするがいい」といったら親の心は育たないのです。ましてや、「子供が自分は空手をやるから好きなようにやらせてかまわないで」ということだったらそれも親の心は痛むのです。
家族が、本当に愛情に満ちた世界を作るならば、両親と子供が目的達成にために協力すべきなのです。極真空手の真髄を学ぶ上で、家族が協力しあうのです。両親が子供に対しての愛情あふれる「共に歩む」という責任を全うします。次は子供たちの番になるのです。そのために、子供たちが、空手を通して成長の戦いが始まるのです。子供達は、最初は先輩に負けてしまうのです。先輩という強さに打ち砕かれてしまうのです。子供達は成長するために、先輩に打ちのめされてはいけないと悟るようになるのです。子供達は先輩と競争するようになるのです。その結果強くなり、先輩が「よくやるな」と関心を払い、なおかつ、「たいしたものだ」と褒めるのです。このようにして、本来の子供たちの能力が啓発されてくるようになるのです。
子供達は、いずれ大会で試合に勝つようになります。そのとき、両親がより子供たちを大事にしたいと思うようになるのです。道場で稽古に明け暮れた子供達は、このとき賢く思えるのです。それは、子供たちが、両親によってもたらされた勝利であることを心から感じるようになるからです。決して道場だけに子供だけを通わせて終わりではないのです。
したがって、子供たちが、家族の中での存在位置として、両親を大切にする心を勝ち取ります。このような極真空手で、子供たちなりに両親の実子としての重みを感じてくるのです。たとえ、試合に負けたとしても、両親は「頑張った歩み」に、心から祝福したくなる心が大きくなるのです。今の時代、あらゆる、青少年の問題は、親子の絆の薄さにあります。経済的に恵まれた少子化での家庭の中にあって、子供を大事にするすべが分からない親が多くなっています。最高の親子の絆は目標達成のために、ともに協力し合うということなのです。特に母親が子供を腹中から見守ります。成長段階で、母親が先導しながら、家族の絆を深めていくことがまさに、勝利者であり、勝利の家族ということなのです。