本部長通信39  2007年5月23日(水)

審査会


 日曜日の日に県武道館にて審査会を行いました。昨年、菅野総師範代を中心として審査のあり方を検討してきました。一人ひとりの審査項目のチェック、そして通信簿の作成による評価の記述、家庭への送付と一連の改革に努めました。師範の観点と現場で指導を担当している師範代達の意見とを総合して評価していこうということでした。
 今回の審査会の総責任者は宍戸師範代でした。名簿の作成、基本項目のチェック、組手の組み合わせ、環境整備など、一連の流れを企画しました。指導責任者は、大友総師範代が担当しました。そこに、各クラスの帯の試験管とし菅野総師範代・佐々木師範代・小野寺師範代・庄司師範代・狩野師範代・森聖義指導員が当たりました。審査の総務役が高橋事務長でした。
 道場生がしっかりとした精神と技術を養っていくために最大の教育の現場として捕らえたのでした。そのために、今回の審査会は極真会館を中心とする師範・師範代・道場生・父兄の皆様が共に共同して子供たちの成長に協力していくという内容になったのです。
今の道場生の状況に立ってみると、社会情勢の混乱による不安は一層大きくなっていると思うのです。いじめ問題から発展して、指を切断してカレーに入れて見せしめとしたリンチ事件、福島県会津における17歳の少年による母親への惨殺事件、アメリカ社会の学生による銃の乱射事件等悲惨なことが起きてきています。社会の思潮に巻き込まれて道場生が、社会の脅威によって押しつぶされてはと危機感を募らせるのです。いつどのような事件にも巻き込まれてもおかしくない状況の中、精神的にも自立してない道場生があらゆる脅威を受ける立場に立っているのです。
そういう観点から見るときに、今の社会の環境から道場生を健全育成するための、決意の表れが審査会でなかったのかと思うのです。師範・師範代・父母達が道場生の未来を守っていくぞという決意表明であります。当然道場生は確固たる武士道精神を身につけ成長のレベルを上げます。自分に負けない、社会のあらゆる甘い誘惑の誘いに乗らない確固たる主体性を身につけていくのです。
したがって、審査会は第一に、道場生が社会の思潮に巻き込まれず自分のしっかりとした確立をなすための体系を整えつつある場であり、第二に実質的な対社会・対地域活動となっているのです。極真会館が社会の中で公認されるためには、審査会を厳粛にし、公平で厳格な内容にして、道場生が試験を受けるにおいて、誰もが認めるものでなければならないし、不正は許されない態勢を整えるべきであります。ましてや、父兄がどうしてあの子が昇級するのだろうかと疑問をもたれる審査会では世間は疑います。私たちは、道場生にしっかりとした武道精神を身につけさせると同時に、不健全な社会環境の脅威からの防御をしなければならない責任を持っているのです。