本部長通信21 2006年11月25日

極真会館の新しい未来

 私がこれから心掛けることは、風通しのいい組織基盤整備と人材基盤の確立と経済基盤の安定化である。今の黒帯のメンバーはこの道場をよりよき方向に伸ばし、家族的な体制に限りなく近づけてくれることは間違いない。初期基礎段階を終えて、道場生の質と量の拡充、安定した運営、あらゆる面でいい方向にむいてきている。道場生人一人の力はわずかばかりである。しかし、組織を組んだ時点で大変な能力を発揮するものである。
 さらに、道場理念、あるいは組織団体の理念は、家族、対話、自然をテーマに最大限の思想性を抱いている。私は道場に入門する人々のよりよい案内人としての使命を発揮しなければと考える。より健全な組織作り、決して腐敗しない組織をいかに建設していけるかがこれからの課題であると考える
 ところで、今ある組織で問題が起きた。師範と師範代の問題である。師範代が何年かの策略を巡らし数百名の生徒を引き連れて独立したのである。戦国時代さながらの出来事である。しかも会社形態をとっていた組織であったゆえに、師範代は業務上横領という法律にふれてしまう。この件は、師範代が侘びをいれ自ら身を引くということで決着しそうに思えた
 しかしながら、話はここからなのである。ある影響を持った人物が反逆した師範代のほかのメンバーに働きかけ、反逆を正当化させるどころか上部組織の認可も与えるというものである。それも理事会で決議され一般会員に決定事項として通達された。何をそこまでして会員を守るべき立場の上部組織が一人の影響ある人物に現場の組織を分裂させ、しこりを残すようなまねをすさせるのであろうか。私には理解できない。組織論からしても下部組織の師範を守るべきではないだろうか。この決定の責任は責任者が組織を左右するものに発展すると認識できないのであろうか。この組織は信頼できる組織とはもはやいいがたいことになる。
 私の道場運営は、風通しのいい組織づくりである。一人の個人的覇権意識にとらわれてはいけないのである。たとえ最高責任者であるとしても謙虚にあらゆる人の話に耳を傾けるべきなのである。先輩、後輩で頭が上がらず何も意見できなくなってはおしまいなのである。いつも私が心掛けていることは、謙虚な心、感謝する心である。絶対に部下や弟子に命令するものではない。お願いがあるときも申し訳ないという気持ちで臨む。私の道場は家族であり、対話を重要しし、自然をともに愛せる組織なのである。