本部長通信18  2006年11月22日

極真精神の確立


 人は、誤ったことをも正当化することがある。空手の道においても私達は、本当の道を極めていくために厳しいことがあまりにも多い。武道を志すものとしては、自分の信念を曲げることなく戦いぬいて勝利のひとときを目指さなければならない。これから時代に対応する新しい組織づくりに専念することになるが、崩れゆく組織よりもこれから未来にかけての理想的組織としてのヴィジョンを正して前進できるような内容を提示できればと思う。
 今の子供たちの状態は、安楽な生活環境のもと自己中心的要素を多く含むようになってしまった。いじめにしてしかり、また尊い命を自分で絶ってしまうという自殺に関しては家族の悲しみも省みない暴挙に似た行動も平気で取れるようになってきた。これは自己中心的発想にほかならないのである。自己中心なすがたは、まず敵を必ずつくることである。つぎに敵に対して知的に何故自分が正しいかの正当化をはかるのである。実に今まで受けてきた教養のすべてを駆使して、見事までの知的作業が始まるのである。このような状態では素直な心、謙虚な姿が子供たちの気持ちから奪われていってしまうのである。素直な心、純粋な心の喪失につながっていく。
 極真空手はまず子供たちに何をしようとしているのか。間違いなく正しい子供たちの成長をねがうのである。ではどのように成長させようとしているのであろうか?その自己中心的心は極真空手では許さないのである。あくまでも親を敬う心、人のために生きようとする心、たとえ自分が責められようとしているときに、本心に立ち返って自分に非があるのならば謝る心をつくるのである。極真空手はまさに心の強さを追及していくのである。心の強さは絶え間ない修練と鍛錬のたまものであることはまちがいない。
 子供たちの心を本心レベルに高めいかなる環境、いかなる気持ちの状態にあろうとも純粋な心を失わないように導くのが極真空手なのである。