2020年12月28日(八段語録3752)
極真を知らない世代に送るメッセージ


 この文章は、紛れもなく私が体験したことを後世に伝えるという意味があるのです。今の道場生は、極真の歴史や私の歩みを知らない世代なのです。私が歩んだ極真の草創期の内容、全日本トーナメンントの話、過去の出来事を、伝える義務があるのです。この極真の歴史には、私自身の過去が刻まれているのです。そこで、第一に稽古に熱心な姿があり、第二に全日本に出場してきた姿があり、第三に、業績を残して指導者としての歩みがあるのです。
 第一に、道場生として、選手として三十四歳まで歩んだのでした。この時期は過酷なまでに自分を苦しめた時期でした。睡眠時間も削って稽古に励んだ時期という事です。その後、三十年間は、手塚会長と共にして指導者として帝王学を学んだ期間なのです。手塚会長が逝去されてからは、自分の無力さを感じながら手塚グループを率いる立場に立っているのです。このような極真と共にある人生は、入門誓約書と共に、極真空手と契約しているからに他ならないのです。私達手塚グループは社会に貢献するという意味で設立されているのです。当然、社会悪に対しては、激しい嫌悪感をもって対処してきたのです。そして世に勝っていると自覚しているのです。そして、制度化された体制が確立しているのです。
 第二に、全日本に出場してきた姿が私にはあるのです。この時期は、極真精神が漲っている時期なのです。稽古に明け暮れて、雲の柱と火の柱の前を歩むような栄光の輝きに満ちていた年代であります。修行の結果が結実していた時期でした。全日本での戦いは、自己を確立する上で、人生において重要な時期だったのです。この時期は、選手でもあり、組織の指導力を研究する時でした。権限移譲をして組織化して活性化するという手法を学んだ時期でもあるのです。それによって、私自身の負担を軽減する術を学んだのでした。
 第三に、指導者として業績を残す歩みが、手塚会長の逝去の後の事でした。理想の家族としての歩みが私自身を中心に起こされつつあるのです。家族が王国であるという思想の実践なのです。戒律を作り、稽古を継続し、心身を鍛錬するという王国の確立なのです。人が正しい精神を保つ道場の確立をするという事が、天に通ずるという発想なのです。道場の拡張が栄光への道につながるようになっているのです。
 結論として、人生の理想の型を見出そうとしているのです。もちろん、私自身が理想の型であり、道場も理想の型であり、道場生も理想の型であり、理想の型が散りばめられた手塚グループにすることが私の使命であるのです。そして、振り返ると、第一に、十代の青春時代に、極真会館の門を叩くことによって、世間からの解放がなされるようになったのです。私にとって極真精神による、この世からの脱出だったのです。第二に手塚会長が逝去されてからは、指導者への脱出がなされようとしているのです。こう考えると、偉大な人生を極真精神によって与えられているのです。