2020年12月13日(八段語録3743)
 Christian Shihan Lejeune 突然の訃報、心からご冥福をお祈りいたします。


 2009年7月30日、忘れもしないヨーロッパ・ベルギーで初めてChristian Shihan Lejeuneと出会いました。サマーキャンプに私を指導者として、暖かく迎え入れてくれたのです。彼は、Shihan Alainを支える大切な人でした。ちょうど、聖書に出てくるアブラハムの忠実な僕、エリエゼルのような存在で、忠実にShihan Alainを支えている人でした。Shihan Alainが激しく活動する中で、事務局長としてサポートに徹していました。
今のヨーロッパのセンターストーンともいうべき存在でした。Shihan Alainがこの世を去っても、その後のヨーロッパを見守り続けた人でした。
 Christian Shihan Lejeuneは、手塚会長と私を、ベルギーの地方都市を車で、隈なく観光で回ってくれました。歴史にも精通していて、ナポレオンとの戦いの場所、ベルギーが多民族で構成されているということなど、詳しく話してくれたのでした。私達が訪問してから、体調が思わしくない時が多かったのですが、サマーキャンプの一週間、一生懸命に面倒を見てくれたことが印象に残っているのです。Shihan Alainが赤鬼と異名を取っていましたが、Christian Shihan Lejeune は白雪姫に出てくる、小人キャラクターの白いひげを生やした老人に似ていました。とても思いやりがある人でした。
 本当に彼は、極真空手を喜んで受け入れて一生懸命稽古していた人でした。私の指導も受け入れて、稽古している姿が目に浮かんでしまいます。極真という精神を基本稽古から学ぼうとしているのでした。それを見ている私にとって、彼にヨーロッパが「栄光に輝く未来」という希望を託すことが出来たのでした。
彼と共に極真を歩めたことを神に感謝しています。サマーキャンプが続く中でも、腰痛にも関わらず、腰に包帯を巻いて世話をしていた姿が目に浮かんできます。また、心臓も煩い、肉体的な試練は多かったのです。それでも、サマーキャンプには必ず参加して、道場生に愛情をかける指導者の姿がありました。
 Shihan AlainとChristian Shihan Lejeuneは、ヨーロッパ極真の宝石です。これからも輝き続けていくと信じています。極真強さは、道場生に対する配慮や愛情であったと教えてくれたChristian Shihan Lejeuneであったと心に刻んでいます。日本とヨーロッパを結んでくれた師範でした。心から感謝申し上げます。また生きてあの世から見守って下さるようにお願いいたします。生きてあの世から見つめてくれるようです。
2020年12月13日 極真会館総本部手塚グループ 会長 森義道