師範から挨拶に代えて

師範　森　義道

◆　社会が求める極真空手　◆
今の社会において極真空手が願われる事は一体何であろうか。空手教育の質が向上することである。まず、極真空手において、社会的認知が絶対的に必要である。そのためには、極真の道場生一人一人が人格教育の自覚を持って最良の人生を模索することが大前提である。社会的認知とは、具体的な例を挙げるとするならば、オリンピックの競技になることであり、学校の教育に認められること等である。社会的認知の上に武道として歩みだすとき極真空手は、将来に大きな夢が広がってくるのである。ところで、創始者大山総裁は何ゆえ極真空手をもって世界的認知をされたのであろうか。大山総裁は、一人日本という環境の中に身を任せ、空手修行の途上の中においても極真空手に対しての一念だけは絶対的なものとして戦い抜いた人生であった。今までの歴史的環境、あるいは様々な事情があったであろうが、そこから世界に出発した。全然知らない異郷の地、そこには数多い艱難が待っていることは総裁自体が知っていた。しかし、大山総裁の極真空手に対する情熱、最強であると信じる心が世界的認知をもたらしたのである。
最後まで突き貫いてカラテを慕ったからこそ、その情熱が世界的認知をもたらせたということは間違いない。極真空手を世に広めるとき、極真空手への情熱や決心は、あらゆる迫害を乗り越えていくに有り余るものがあった。
極真空手は世界的規模に膨張した。しかし大山総裁が願う社会的地位の確立は、組織の整理でもなければ、会員生制度でもない。そこにはカラテに対する情熱だけが満ち溢れていた。私達が原点に返らなければならない事は、一人一人が大山総裁と同じように空手教育に対する情熱を持つことである。正しい舵取りができるリーダーなどいるはずもない。極真空手は組織力で持って世界的認知を受けたのではないのである。まさに大山総裁の志を受け継いでその生き様を表してこそ私たちは、社会的認知を受けるのである。

支え手からのメッセージ

後援会長　菊池文博

「人種、民族、国境を超え、政治、宗教、思想の垣根を撤廃し、世界人類の平和の現実を目指す」を理念とし、大山総裁は壮大な理念のもと極真カラテを結集しました。
極真カラテは、常に自分自身の身はもとより、一番大切な人を守り抜くことができるように極限を求めていく武道であります。また、極真カラテの目的は、心身の練磨の中で、真の強さや正義感を養い、礼節を極める人類愛を追求しつつ、愛情豊かな人間性を築き上げていくことです。
青少年を取り巻く混沌とした状況や、殺伐とした人間関係が深刻な社会現象を引き起こしています。「極真カラテ」の持つ意義は、現代社会の青少年に求められている大切なものになってきています。
私たちは、極真カラテを精進する中で、皆様がカラテの技の上達はもとより、人間性を豊かにしていくという心を育んでおります。